2016年9月12日月曜日

「おはちょうじさま」例祭斎行

 去る9月11日、本牧神社御本殿に「相殿」としてお祀りされる「八王子大神」のご例祭が斎行されました。

 

 「おはちょうじさま」と親しまれるこの神様は、旧本牧六ケ村の内「牛込」の鎮守様でしたが、明治42年7月に政府の「神社合祀」政策により本牧神社に合祀されました。
 古来から「山あて」の神様として船人たちからの信仰が篤く、榊神輿が海に入る勇壮な神事や、江戸後期奉納の社殿は合祀時に本牧神社の本殿に充てられるなど、域内でも有数の立派なお社だったようです。 
 
また、本牧神社の社務所会議室には「神之為徳其盛哉(カミノトクタルソレサカンナルカナ)」と記された奉納額が掲げられていますが、この額は、日露戦争において当時の本牧町牛込から54名の若者が出征し、その全員が無事に凱旋帰還出来たことを感謝して八王子大神に奉納されたものです。今日も旧社地には「おはちょうじさまの碑」が遺り、保存会が結ばれて旧来の信仰が語り継がれています。

 「神社合祀政策」はマイナス評価で捉えられる向きが強いのですが、本牧においては、御神威赫赫たる八王子大神が合わせ祀られたことで、本牧神社を中心とした地域全体の一体感や結束が強化され、そのことが戦中・戦後の艱難を乗り越えて特殊神事「お馬流し」の存続を可能ならしめる大きな力となりました。今日も八王子大神の旧氏子地域は、「お馬流し」を支える船方町として特に大切な役割を果たされています。



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